35.悩み(3)決意

この世のことすべてが、何が何だか分からなくなり、ノイローゼ状態に陥った高校生は、たまたま手にしたバートランド・ラッセルの「幸福論」にあった次の一行で救われた。

曰く「内向的な人間とは、彼の前に繰り広げられた多彩なこの世の眺めから眼をそらし、ただひたすら内なる空虚な世界を凝視する人間に他ならない」

これは後にも先にも、自分の人生に最大の影響を与えた一文となった。正に「眼から鱗」であった。今、読めば何てことはない文章なのだが、これを読んだ当時の僕にとっては、神から啓示を受けたかのごとく、目の前がパッと明るくなったことを思い出す。そうなんだ!自分は今、正にこの「内向的な人間」になっているんだと。

それから少しずつ前向きになった。人生の意味なんかどうでもいい。この世の、この多彩な出来事を一つひとつ楽しんでやろうと考えた。

そして受験する大学をどこにするかを決めるタイミングとなった。
希望は3つ。一つは長崎から出ること(うるさい親元から離れたい)。二つに、金のかからない国公立(長男坊主の親への遠慮)。三つに世の役に立てるところ。

理系クラスに在籍してるからには、医学部、工学部、理学部、農学部などの中から選ぶこととなる。
中学校で回りに医者志望が多かったせいか、医者になる気は毛頭なかった(なりたくともなれる成績ではなかったが)し、理系の興味が失せたとはいえ工学部が一番自分にあっているのかなと漠然と考えていたが、担任のI先生から「君は九大の農学部を受験しなさい。悪いこと言わないから、騙されたと思ってここにしなさい」と指導を受けた。

騙された(笑)。とまでは言わないが、当時、社会問題となっていた公害問題を解決してやろうと考え、担任の指導に従った。

高校3年の夏休み明け。とりあえず悩みを捨て(大学に入ってから考えようと思い)、進路を決めた僕は、親から九大に入学したら「手工ギター」を買ってやるという人参を鼻先にぶら下げられて、受験勉強に精を出すこととなった。

関連記事

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
最新記事
プロフィール

リンデン

Author:リンデン
リンデンの長崎ケルンへようこそ!

長崎には「墓・坂・馬鹿」が多いと揶揄されますが、「先人(歴史・文化)を敬うハカ・人の苦労(斜面都市・殉教・被爆)を知るサカ・自らを捨て人に尽くす(まつり・地域活動・平和運動)バカ」のことだと解釈し、このハカサカバカ精神で行動しながら、ケルン(記事)を積んでいます。

あなたもよかったら、ケルン(コメント)を積んでいってくださいね。

facebook
twitter
mixi
freeml
you-tube

カテゴリ
最新コメント
リンク
月別(表示数指定)
検索フォーム
FC2カウンター
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSリンクの表示
QRコード
QRコード
フリーエリア