13.喜べないサクラサク

「附中ば受けて見るね?」という母の言葉に、「うん」と軽く答えた。その時の気持ちは、もう今では推測でしかない。きっと入学試験があるというからには、通れば何かいいことがあるんだろうぐらいにしか考えてなかったはずだ。

とにかく受けた。そして忘れもしない合格発表の日。石本先生とクラスから受験をした数人で、発表を見に行った。小学校から附中までは歩いて15分ぐらいだ。みんなで楽しくしゃべりながら、まるで遠足気分だ。

中学が近くなった。そのとき誰かが駆け出した。そしてすぐに戻ってきて叫んだ。「しんちゃん、通っとるぞ~!!」

木造2階建ての附小の校舎から合格者名が書かれた垂れ幕が下がっていた。そしてその中に自分の名前を見つけた。嬉しかった。「やった~!!」。でもその気持ちは素直に出せなかった。仲間の中に落ちた者もいたからだ・・・

石本先生のいつもの笑顔は覚えているが、それからどうして帰ったのか記憶が飛んでいる。
その瞬間から、みんなと違う道を歩み始めたことに初めて気付き、何かしら後ろめたさと、寂しさと、不安が芽生えたことだけは覚えている・・・

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わたしはバスを乗り継いで、母と一緒に見に行きましたね~。
後で聞いた話ですが、母は道すがら、ダメだったときの励ましの言葉を一生懸命考えていたそうです(笑)

合格のときの記憶がないなぁ。
 受験票を受け取った帰り道で、「男全員の受験票を落っことして青くなった」ことだけは覚えているけれど。

その使われなかった励ましの言葉、聞いてみたくなかった?

そりゃ大変!!それでどうしたの??

あずりんは、父から「受けてみたら?」と言われました
でも、「イヤだ」と断りました
だって、家から遠すぎるし
友達と別れるのがいやだったから。。

聞いたよ、大学受験の時(笑)。

あにじゃさんの頃は氏名の発表だったんですね。

あはは~、そのころから意志が固いあずりん♪は形成されていたんやね?

そうです。現在は受験番号を体育館の壁に横に張るんですね。36年後に息子の番号を探すことになろうとは・・・

かもしれない。。

その縁起の悪い受験票を「素知らぬ顔で拾い上げて何事もなかったように」帰ったわけです、当然。而してその結果、連中が落っこったのはオレのせいじゃない、と信じたい。

♪人生、楽ありゃ、苦もあるさ~って?(笑)

違うさ!ちゃんと落っこちたのを拾ったんだから~でも運も一緒に拾い戻したかどうかは知らんよ~(^_-)

三つ子の魂でさえ、百までっつぅからね~

親子で附中ってこちらでも多かったです。
そちらも抽選ってあるんですか?
こちらは・・・
抽選のための予備抽選がありその後本抽選。時間になると体育館は外から全く見えないようにカーテンが閉められ、扉の鍵まで閉められて・・・
予備知識のない母親でしたので「なんじゃこりゃ~」な世界でした。(^^;;;

抽選は、昨年からなくなりました。それはそれは厳正な抽選会でした。予備抽選で本抽選の順番が決められ、本抽選で1枚1枚、番号札を生徒か保護者が取って行って、最後に残った番号で当落が決まるのです。
それが決まった瞬間、どよめきが起こり、それまでの重苦しい空気が一転するのでした・・・しんどかった・・

抽選経験者なんですね~
私も2度経験がありますが、2度目は残り番号より1つ若い番号、つまり補欠のドベでした(涙)

当時の教頭先生が私の首を懸けてこの抽選制度をなくす様に、文科省と大学に申し入れていますとおっしゃったのは嘘ではなかった。くじで人生が決まるなんてことを若いときに経験させるもんじゃないよね?

うん、させるもんじゃないと思います。
努力しても運が全てで報われない人がいるんですもの。
それにしても首をかけて申し入れするなんて、素晴らしい先生ですね。
上の子は当たりで下の子はハズレ
下の子にとってハズレをひいたことは大人が考える以上に辛い経験だったようで、後にチャンスがあり編入をすすめましたが、意地になってもういいと・・・
「あの時自分が編入しなかったのは自分で決めたことだから後悔はしちゃいけないと思うけれど、”右のクジ”をひいてしまったことだけは今でも後悔してる。」な~んて言っていますもの。

ただでさえ努力が報われない社会になりつつある。
合格すれば全て良しではないけれど、目標に向かって努力し、それが成就した経験は、子供にとって何物にも代えがたい。それがいろんな分野で可能な社会になればいいよね。
努力しても報われなかった経験は、タフにプラスに変換できればいいんだろうけど(社会にでるとそういう経験ばかりだし)変に冷めたり、屈折すると取り返しがつかないね。
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