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第10回枯松神社祭(「沈黙」の原点)

先に案内した「第10回枯松神社祭」が11/3、外海の下黒崎町の枯松神社境内で行われた。

開催の趣旨

1.迫害時代、あらゆる苦難をしのぎ、信仰の指導をして下さった指導者サン・ジワン様と信仰を今日に伝えた先祖たちの遺徳を讃え、感謝を捧げ、ご冥福を祈る。

1.外海キリシタンの歴史と文化を継承し、地域の平和と発展を祈る。


一度この神社祭を見てみたいと思っていたので、野下神父にお願いして、中町教会から出る車に同乗させていただいた。

行きの車の中で野下神父から、遠藤周作がなぜ黒崎を舞台に「沈黙」を書いたかなど興味あるお話を伺い、否が応でもこの日予定されている神父の講演に期待が高まっていった。

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 ▲カトリック黒崎教会 遠藤周作はこの手前の「永田浜」やこの「黒崎教会」などを見て、「沈黙」の舞台はをここだと確信した。現在「遠藤周作文学館」や「沈黙の碑」がある出津ではない、この黒崎の地だ。

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 ▲禁教時代、ここの潜伏キリシタンは、寺請制度により表向きは曹洞宗天福寺の檀徒となったが、密かにその信仰を守り続けた。明治6年、禁教の高札が撤廃されたとき、1/2はカトリックに戻ったが(枯松神社祭実行委員会の黒崎勝郎代表委員のグループ)、1/4は天福寺に恩義を感じ、そのままこの寺のお世話になり(松川隆治代表委員のグループ)、1/4は寺にも教会にもつかず、潜伏キリシタンの信仰を続け(村上茂則代表委員のグループ。いわゆる「カクレキリシタン」、この地区では「旧キリシタン」と呼ばれる)、三派に分かれた。この写真の墓は枯松神社のすぐ下にある。松川、松下など松が付く家の墓が多いが、戒名塔に洗礼名も見え、その歴史を物語っている。

 寺に身を置き、神社の中のイエスを拝む。何ということだ。その墓には中国文化である「土神」さんもある。長崎ならではの信仰の奇跡であろう。

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 ▲祈りの岩。禁教時代、潜伏キリシタンは、この岩の下で雨風をしのぎながら、また役人の目を避けながらオラショを口伝した。

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 ▲第一部は、高見三明カトリック長崎大司教の司式による感謝と慰霊ミサ

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 ▲第二部は、村上茂則師(旧キリシタン代表)によるオラショ奉納

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 ▲オラショは当然、書き物としては残っていない。秘かに口頭で伝承したからだ。これは村上さん手書きのオラショの原稿。これぞ文化遺産、信仰遺産であろう。

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 ▲第三部は、野下千年神父による講演「世界遺産への登録を目指して~枯松神社の歴史と存在の意義~」。

 講話の概要
・伝承と伝説との違い。
・サン・ジワンとは、英語でSt.John。使徒ヨハネではなく、洗礼者ヨハネのことではないか。生月で「サンジョワン」は洗礼の水のこと。
・サン・ジワンがバスチャンに教えた教会カレンダー(バスチャン歴=1634年の大陰暦)
・遠藤周作は、福田の上にある岳教会で、土地の娘さんから初めて黒崎の潜伏キリシタンの話を聞いた。
・彼は峠を越え永田浜、黒崎教会を目にした時、小説の舞台はここだと確信したという。
・黒崎教会の川口神父から3時間話を聞き、小説のイメージを膨らました。
・カクレキリシタンの村上さんの祖父(近七さん)に一升瓶を手土産に話を聞きに行った。今でもその酒屋はある。
・枯松神社・オエン岩・ジワンの沢などをおそらく信者の木元さんに案内されたのではないか。トモギ村は「木元」の逆読みではないか??
・「沈黙」の舞台は出津ではなく黒崎。小説の中で3度、この地を舞台にして創作したという。
・昨年9月に世界遺産の登録の審査をしているイコモスのメンバーが「長崎の教会群とキリスト教関連施設」の世界遺産候補地を見学にみえた後の座談会で、これらは建築的価値はないと語り、関係者は落胆した。しかし、その中にある信仰のストーリーを前面に出せば可能性はある、今回の候補地にはない「枯松神社」がそれだと語ったという。世界遺産の重点は、建築物よりストーリーへと見直しを迫られている。
・サンジワンはここで信仰を守った人たちの「心の伝道師」だったのではないか。
・歴史の皮肉で、信仰の自由を得たら三派に分かれてしまったが、このサンジワン様を心の糧にして、世界遺産的価値がある信仰の証を、後世に伝承していって欲しい。


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 ▲帰り路、永田浜はまさに「沈黙」の浜になっていくようであった。
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テーマ : 長崎
ジャンル : 地域情報

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No title

いろいろご提案がありましたら、
アジェンダNOVAながさき事務局リンデンまでv-5

No title

そうですよね。難しいと思う。

ストーリーは造られ易い(この造るでいいのかな?)ものだし。



No title

>建築物よりストーリーかぁ~。

そうです。でも簡単じゃないよね。ストーリーを遺産にするのは。
正しく野下神父が言われている「伝承や伝説」じゃダメなんだろうし・・・

建築物という歴史の証明のうえに、ストーリーをしっかりと乗せないといけないと思う。

信徒発見の大浦天主堂みたいに。

No title

建築物よりストーリーかぁ~。
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